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学会レポート・取材

医療と介護の総合展(20/10/14~16)

クリニックのIT活用最前線 ~オンライン診療と集患スキーム~②「オンライン診療の現状と今後の展望」

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「クリニックのIT活用最前線 ~オンライン診療と集患スキーム~」2つ目のテーマでは「ICTを活用した次世代クリニックのかたち ~院内自動化・集患の実例~」と題して東小金井小児神経・脳神経内科クリニックの生田 陽二先生と(株)Donuts社長室 室長/CLIUS医療事業部 部長/ジョブカン新規担当 林 志紋氏のフリーセッションが行われ、集患・院内システムの自動化などクリニックにおけるICT活用について、生田先生の具体的な取り組み事例を交えてご説明いただきました。
本記事では、生田先生の講演内容をご紹介します。

※以下、当日の講演内容を書き起こしし、一部編集しました。

月1万円の広告費で集患

東小金井小児神経・脳神経内科クリニックは、てんかんと小児期発症精神疾患に特化したクリニックとして2020年に開業しました。知的障害や医療的ケアの有無に関わらず小児期から成人期まで通院可能となっており、来院される患者さんは半径15キロ圏内および隣接県の埼玉、神奈川、千葉など他県からもいらっしゃいます。
現在当クリニックでは、集患をすべてインターネット経由で行っているため、もっとも大切なのはホームページだと考えています。ホームページは見てもらえないと意味がないですよね。そのためSEO(Search Engine Optimization)に力をいれており、日々コンテンツを更新しています。また、クリニックのホームページについてはMEO(Map Engine Optimization)も非常に大切だと思っています。

Google検索で上位に来るためには、小手先のテクニックはあまり通じません。E(専門性)A(権威性)T(信頼性)が大切です。良質なコンテンツを定期的に更新することが大切だと思っています。

コンテンツとしては、来院のきっかけになると想定される疾患名の解説記事や、Googleトレンド(https://trends.google.co.jp/trends/?geo=JP)を参考にして更新しています。ちなみに、当院で最も流入が多いキーワードは「ウェスト症候群」です。

SEOとリスティング広告を組み合わせて、現在は月1万円ほどの予算で広告運用をしており、月のアクセス状況は40,000PVです。クリニックホームページの平均PVは1,180(https://www.mcf.bz/2017/04/28/post-912/)というデータもありますので、成果をだせていると考えています。

開院にあたって実施されたこと

  • ・独自ドメイン取得
  • ・ワードプレスを使った自院のホームページ制作
  • ・対象疾患について解説するコンテンツ作成
  • ・アクセス解析
  • ・検索解析
  • ・MEO(Map Engine Optimization)
  • ・リスティング広告

できるだけヒューマンエラーを防ぎたい

クリニック経営における事務作業には、会計、経理、勤怠、経費、給与、人事・労務など多岐にわたります。当院では各システムをAPI連携させ、自動化することでできるだけヒューマンエラーを防げるよう考慮しました。

電子カルテは、クラウド型電子カルテ「CLIUS」(クリアス)(https://clius.jp/)を利用しています。「CLIUS」にはよく利用する検査+病名、処方+病名...などの組み合わせをすべて「セット化」する機能があり、選択するだけで入力ができる点がたいへん気に入っています。インフルエンザ予診票や問診票など頻繁に発生する文書作成についても「セット」を作って自動で作成し、できるだけ職員や患者さんに書いてもらうことがないようにしています。

※資料提供 株式会社Donuts

また、ユーザー辞書の同期が可能な「ATOK Passport」(https://www.justsystems.com/jp/products/atok-passport/)を利用して、短縮読みや患者さんのめずらしいお名前などを辞書登録してどの端末でもすぐ変換できるようにしています。便利なツールはどんどん取り入れて日々の診療効率化に役立てています。

自動化とは関係ないのですが、「CLIUS」のデザインがとてもスタイリッシュで気に入っています。

IT活用で働き方改革を

当院はルンバとブラーバのリンクがついた掃除機(http://style.irobot-jp.com/5400/)を利用して掃除も自動化しています。人が掃除するよりも綺麗になりますね(笑)。LINEWORKSを使った職員との情報共有、Excelでのシフト表作成も自動化しています。

職員からはクリニックの良い点として、「ほぼ残業がない」「掃除の負担が少ない」「紙が少ない」「スタッフも患者も手書きが少ない点が助かる」「電子決済できるところがいい」「患者さんがホームページの記事を読んできているため、疾患理解が早く、患者さんが短い時間で理解してくれる」などの声がありました。

とくに最後の「患者さんがホームページの記事を読んできているため、疾患理解が早く、患者さんが短い時間で理解してくれる」という点については、ホームページに掲載した自分の記事が患者さんや職員の役に立って、すごくよかったと思っています。

自動化することで、自分しかできないことに意識を向けていきたい

なぜここまで自動化するのかと思われるかもしれませんが、私はいろんなことがめんどくさいんですね。すぐ忘れてしまうし。できるだけ記憶の無駄を防ぎたいと思っています。そうすることで、患者さんと向き合う時間を増やせたり、論文を読んだり、もっと大事なことに意識を向けられるのではないかと思っています。

また、自分が面倒だと思うことはほかの人も面倒だと思っていると思います。
それをなくしてあげることで、職員の満足度向上にもつながります。

すべてを自動化することはできないし、自分で対応できないことは外注も考えていくことは必要だと思っています。IT活用についていろいろとお話してきましたが、「クリニック経営にもデジタルトランスフォーメーションを」最後にこの言葉で締めたいと思います。

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