小児のCOVID-19ワクチン、「速やかに接種したい」米国の親は約5人に1人
「JAMA Network Open」より
生後6カ月から4歳の小児に対し、接種が可能な状況となった後、速やかに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンを接種させたいと考える親は5人に1人に満たないとする研究結果が、「JAMA Network Open」に8月3日掲載された。小児のワクチン接種の普及を阻む障壁には、ワクチンの安全性と有効性への懸念が最も大きい要因として挙げられたという。
米アイオワ大学のAaron M. Scherer氏らは、2022年2月2日から10日にかけて、生後6カ月から4歳までの子どもを持つ米国成人2,031人(25~49歳)を対象に、子どものCOVID-19ワクチン接種に関する意識調査をオンラインで実施した。調査では、子どもにワクチンを受けさせたいか、接種が可能な状況となってからどれくらいの期間内に接種させるか、ワクチン接種に対する懸念、接種に前向きになるために必要と考える要因や情報、どこで接種を受けたいかについて尋ねた。分析には記述統計とχ2乗検定を用いた。
その結果、半数弱(45.6%)の親は、接種が可能な状況となればCOVID-19ワクチンを自分の子どもに「必ず」または「恐らく」接種させると回答した。一方で、接種が可能な状況となってから3カ月以内に接種させると思うと回答した者は19.0%と5人に1人に満たなかった。
ワクチン接種に対する懸念としては、「長期的な副作用が心配」と回答した者が51.6%と最多で、「短期的な副作用が心配」(40.8%)がこれに次いだ。また、「ワクチンが効くかどうか疑問」とした者も23.6%おり、ワクチンの安全性と有効性への懸念を有する者の割合が高かった。一方で、接種に前向きになるために必要と考える要因や情報を尋ねたところ、「ワクチンの安全性に関する情報」(30.5%)が最多で、次いで、「有効性に関する情報」(28.3%)だった。また、ワクチンの接種場所として望ましい場所は、病院や診療所が24.5%と最多で、次いで地域の薬局が22.8%だった。
以上の結果から著者らは、「親たちは、4歳未満の子どもへのCOVID-19ワクチン接種について相当な懸念を抱いていることが分かった。小児のワクチン接種を推進するためには、保護者のワクチンに対する不安を払拭することが必要であり、そのためには相当な努力が必要だろう」と述べている。(HealthDay News 2022年8月4日)
- 書誌事項
COVID-19 Vaccination Intentions, Concerns, and Facilitators Among US Parents of Children Ages 6 Months Through 4 Years
Scherer AM, et al. JAMA Network Open. Published online August 3, 2022. doi: 0.1001/jamanetworkopen.2022.27437