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クローン病および潰瘍性大腸炎におけるグルココルチコイド抵抗性:GRおよびFKBP5遺伝子多型を調査した関連研究。
DOI:10.1038/tpj.2011.26
アブストラクト
本研究の目的は、クローン病(CD)および潰瘍性大腸炎(UC)患者におけるグルココルチコイド(GC)抵抗性の発現における、グルココルチコイド受容体(GR)および関連コ・シャペロンFKBP5遺伝子の一塩基多型(SNP)の役割を調べることである。我々は、GR(BclI、N363S、ER22/23EK)とFKBP5(rs3800373、rs1360780、rs4713916)の多型を同時に同定できる高分解能DNA融解法を開発した。遺伝子型頻度は、GC療法を受けている連続した100人のCD患者と100人のUC患者(50人の反応者と50人の抵抗者)において決定された。FKBP5の推定プロモーター領域にあるFKBP5多型rs4713916(G/A)の変異は、CDにおけるGC治療抵抗性と有意に関連していた(レスポンダー=17%対レジスター=35%;P=0.0043)。UC患者では有意差は認められなかった。これらの予備的所見が確認されれば、GRとFKBP5の変異解析を組み合わせることで、GC治療が有効な可能性の高いCD患者のサブグループを同定するのに役立つ可能性がある。