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原因不明の胎児貧血--診断上の課題。

DOI:10.1055/s-0031-1281756

アブストラクト

目的:初回輸血時および2回目以降の輸血時に原因不明であった胎児貧血症例における基礎疾患のスペクトルを評価する。

材料と方法:2002年から2010年6月までの間に子宮内輸血を受けた全患者を、出生前医療のための2つの3次紹介施設の周産期データベースで同定した。

結果:調査期間中に子宮内輸血を受けた胎児は82例であった。これらの患者では合計356回の輸血が行われた。我々のコホートにおける胎児貧血の原因は、同種免疫(32例)、パルボウイルス感染(23例)、胎児輸血症候群(9例)、仙尾部奇形腫(2例)、サイトメガロウイルス感染(1例)であった。残りの15例では、胎児貧血の原因は初回輸血時および2回目輸血時には不明であり、妊娠のさらなる経過や出生後に初めて判明するか、最終的には疑問のままであった。すべての症例において、中大脳動脈の収縮期ピーク速度が著明に上昇していたことから、胎児貧血が正確に予測された。これらの症例の最終診断は、胎児母体出血(4例)、ブラックファン・ダイヤモンド貧血(1例)、脈絡膜腫を伴うびまん性新生児血管腫症(1例)、カポジ様血管内皮腫(1例)、楕円赤血球症(1例)、新生児ヘモクロマトーシス(1例)、ムコ多糖症VII型(1例)であり、5例では胎児貧血の原因が不明のままであった。後者の5例は出生後の経過に問題はなく、乳児期に輸血を必要としなかった。

結論:間接クームス試験およびTORCH血清検査が陰性の胎児貧血症例では、貧血のまれな原因を考慮しなければならない。そのため、胎児の検査には網状赤血球数、溶血のパラメータ、末梢血塗抹標本、胎児肝機能検査を含めるべきである。母体検査では、Kleihauer-Betke試験ではなく、フローサイトメトリーを用いて胎児赤血球を検索すべきである。

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