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TALDO1に変異のある小児における肝疾患と肝細胞癌のリスク。

DOI:10.1002/hep4.1824

アブストラクト

トランスアルドラーゼ1(TALDO1)遺伝子の変異は、限られた症例で報告されている。いくつかの臓器が侵される可能性があり、臨床症状は様々であるが、しばしば肝機能障害や肝脾腫を伴う。我々は肝疾患を呈した4例を報告する:2例は早期発症の肝細胞癌(HCC)であった。胆汁うっ滞とTALDO1の変異を有する患者が次世代シークエンシングにより同定された。臨床データ、検査データ、組織学的データを収集した。TALDO1に損傷を与えると予測される変異を有する患者が4例(男性1例)同定された。3例はホモ接合体(2つの蛋白切断変異/1つのミスセンス変異)、1例は複合ヘテロ接合体(2つのミスセンス変異)であった。発症時の年齢中央値は4ヵ月(範囲2-210日)で、黄疸(3例)、肝脾腫(3例)、汎血球減少(1例)を認めた。2例では皮膚線維芽細胞で最小のトランスアルドラーゼ酵素活性が検出され、3例では尿ポリオールが上昇したことから診断が裏付けられた。3例が肝移植(LT)を受け、うち2例は摘出肝で肝細胞癌が確認された。1例は肝移植直後に突然死した。非移植例は、多発性の異形成性肝結節を有する慢性肝疾患であるが、肝生化学およびα-フェト蛋白は正常であった。追跡期間中央値は4年(範囲、1-21)であった。結論トランスアルドラーゼ欠損症は、多臓器病変を伴う早期発症の正常γ-グルタミルトランスフェラーゼ肝疾患を含む可能性があり、その進行は様々である。この疾患の患者は早期発症の肝細胞癌のリスクがあり、早期のLTが必要かもしれない。

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