チュニジアの新生児/小児低GGT肝内胆汁うっ滞患者におけるABCB11およびABCG5の変異の分子的および計算学的特徴づけ:遺伝子診断と遺伝子型-表現型相関評価。
DOI:10.1111/ahg.12542
アブストラクト
多くの遺伝性疾患が乳児期に肝細胞胆汁うっ滞を引き起こすが、その中には症状が非常に重複する異種の疾患群である進行性家族性肝内胆汁うっ滞(PFIC)も含まれる。本研究では、PFICが疑われる血縁関係のないチュニジア人乳児6人を対象に、パネル・ターゲット配列決定と、それに続く徹底的なバイオインフォマティックおよびモデリング調査を行った。その結果、既知の変異(ABCB11遺伝子のp.Asp482Glyとp.Tyr354 *、ABCC2遺伝子のp.Arg446 *)、ATP-binding cassette subfamily G member 5(ABCG5)遺伝子の新規のp.Ala98Cys変異、ABCB11遺伝子のp.Gln312Hisの最初のホモ接合性の記述を含む5つの疾患原因変異が明らかになった。p.Gln312Hisは、胆汁酸塩輸出ポンプの相互作用パターンを破壊するとともに、この残基を持つ第二の細胞内ループドメインの柔軟性を破壊する。p.Ala98Cysに関しては、胆汁トランスポーターの第一ヌクレオチド結合ドメイン内の相互作用とそのアクセス性の両方を修飾する。胆汁うっ滞関連遺伝子の修飾因子となる可能性のある変異体は、その病原性(ABCC2遺伝子のp.Gly758Val)と機能性(ABCG8遺伝子のp.Asp19His)に基づいて、さらに2つ保持された。分子生物学的所見により、5症例でPFIC2と診断され、1症例では予期せぬ姉妹脱落症と診断された。遺伝子型と表現型の相関がないことから、胆汁組成に直接的または間接的に関与する修飾バリアントだけでなく、環境因子やエピジェネティック因子の関与が示唆され、胆汁うっ滞の表現型の多様性を説明できる可能性がある。
会員登録すると記事全文を読むことができるほか、「NEJM Journal Watch」や「国内論文フルテキスト」といった会員限定コンテンツを閲覧できます。