アラジール症候群におけるマラリキシバットの実臨床経験:臨床試験以外の新しい知見。
DOI:10.1002/jpn3.12101
アブストラクト
目的:回腸型胆汁酸トランスポーター阻害薬であるマラリキシバットは、アラジール症候群(ALGS)の生後3ヵ月以上の患者における胆汁うっ滞性そう痒症の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)により初めて承認された。承認は、重要なICONIC試験によるそう痒症の軽減、2つの追加試験(ITCH試験およびIMAGO試験)からの情報、および長期延長試験に基づいている。これらの試験の参加者は厳格な組み入れ基準および除外基準を満たしたが、患者は拡大アクセス・プログラムの一環として、あるいは市販薬として、より幅広い状況でマラリキシバットを投与されている。拡大アクセスと承認後の設定は、有効性と安全性の実世界での理解に役立つものである。本臨床試験の目的は、ALGSの管理におけるマラリキシバットの有効性について独自の知見を提供することである。
方法:マラリキシバットの投与を受けたが、外科的胆道迂回術、鎮痒・胆汁分泌抑制薬の減量、胃瘻または経鼻胃管からの薬剤投与、移植を検討している患者への使用などの理由で臨床試験から除外されたであろうALGS患者の記録を再検討した。
結果:マラリキシバットはベースラインと比較してそう痒症を軽減し、有効であると思われた。臨床試験と同様、マラリキシバットの忍容性は良好で、消化管合併症は認められなかった。肝酵素の上昇が認められたが、ALGSで観察される正常な変動と一致していると解釈され、ビリルビンの上昇は認められなかった。
結論:マラリキシバットは、ALGS患者において、これまでに報告されているよりも広い臨床的背景において有効であり、忍容性も良好である可能性がある。
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