進行性家族性肝内胆汁うっ滞2型の固有肝期における臨床症状、生化学および肝組織学。
DOI:10.1186/s13023-024-03080-6
アブストラクト
背景:進行性家族性肝内胆汁うっ滞2型(PFIC2)は、ABCB11遺伝子の変異によって引き起こされる超希少疾患である。本研究は、PFIC2の固有肝期における経過を理解することを目的とした。
方法:2014年11月から2015年10月にかけて、日本小児消化器・肝臓・栄養学会登録病院207施設においてPFIC2患者を特定するための調査を実施した。研究者らは2018年11月、あらかじめ指定された様式を用いて各施設の臨床データをレトロスペクティブに収集した。
結果:ABCB11の2遺伝子変異および/またはBSEPの肝免疫組織化学的検出なしに基づき、7施設で14例の日本人PFIC2患者が登録された。追跡期間中央値は63.2ヵ月[47.7-123.3ヵ月]であった。発症年齢の中央値は2.5[1-4]ヵ月であった。12人の患者が生体肝移植(LDLT)を受け、LDLT時の年齢中央値は9[4-57]ヵ月であった。他の2人の患者は、4-フェニル酪酸ナトリウム(NaPB)療法を受け、本来の肝臓で60ヵ月以上生存した。胆道迂回術を受けた患者はいなかった。LDLTに至った症例は、初診時から成長障害、生化学検査、肝組織像が徐々に悪化していた。他の2例では、NaPB療法開始後、黄疸、成長遅延、生化学検査のほとんどは改善したが、そう痒症と肝線維症は改善しなかった。
結論:日本人PFIC2患者は、初診時から徐々に臨床所見が悪化し、乳児期にLDLTを発症した。NaPB療法は黄疸と発育遅延を改善したが、掻痒症と肝線維症の治療には不十分であった。
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