小児慢性皮膚障害のスティグマ化とメンタルヘルスへの影響。
DOI:10.1001/jamadermatol.2024.0594
アブストラクト
重要性:小児の慢性皮膚疾患は目に見えることが多く、スティグマ(烙印)の原因となりうる。しかし、慢性皮膚疾患によるスティグマ化の程度や精神的健康との関連については、さらなる研究が必要である。
目的:小児慢性皮膚疾患におけるスティグマの程度、疾患の可視性および重症度依存性、精神的健康および生活の質(QOL)との関連を検討する。
デザイン、設定、参加者:2018年11月14日から2021年11月17日まで、米国およびカナダの32の小児皮膚科センターにおいて、横断的、単回訪問研究を実施した。参加者は8~17歳の慢性皮膚疾患患者と親1名であった。
主な転帰と評価項目:Patient-Reported Outcomes Measurement Instrumentation System(PROMIS)Stigma-Skinを用い、子ども、介護者、医師が評価した疾患の可視性(主要転帰)と重症度によるスティグマの程度を比較したほか、QOLの低下(Skindex-Teenで評価)、抑うつ、不安、仲間関係の悪化(PROMIS子どもツールおよび代理ツール)(副次的転帰)を比較した。
結果:対象は1671名の小児(57.9%が女性;平均年齢[SD]13.7[2.7]歳)であった。参加者の56.4%が自己報告で疾患の可視性が高く、50.5%が疾患の重症度が中等度であった。スティグマスコアは、医師が評価した疾患の可視性と重症度、小児・代理人が評価した疾患の可視性と重症度のレベルによって有意に異なっていた。慢性皮膚疾患(主にニキビ、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、白斑)を有する小児では、さまざまな慢性疾患を有する小児と比較して、Tスコアが40未満(スティグマが最小限または全くない)であったのはわずか27.0%であり、43.8%は少なくとも中等度のスティグマ(Tスコア≧45)を有していた。スティグマスコアは、QOLの低下(スピアマンρ=0.73)、抑うつ(ρ=0.61)、不安(ρ=0.54)、仲間関係の悪化(ρ=-0.49)と強い相関があった。全体として、29.4%の親が子どものいじめに気づいており、これはスティグマと強く関連していた(Cohen d = -0.79、いじめられなかった子どもはスティグマのレベルが低かった)。女児は男児よりもスティグマが強いと報告した(Cohen d = 0.26)。多汗症と化膿性汗腺炎の子どもは、抑うつと不安が増加する可能性が最も高かった。
結論と関連性:本研究で得られた知見は、医師による疾患の重症度と可視性の評価は、患者/介護者における疾患の影響を評価するには不十分であることを示唆している。いじめを含むスティグマを特定し、医学的・心理社会的介入による改善を追跡することは、診療者にとって重要な役割であろう。
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