Posner-Schlossman Syndrome European Study Group:多施設共同研究のプロトコールとベースライン患者の特徴。
DOI:10.1136/bjo-2023-324900
アブストラクト
背景:Posner-Schlossman Syndrome European Study Group(PSS-ESG)の目的は、ヨーロッパのPSS患者の包括的なデータセットを得ることである。ここでは、研究プロトコールとベースライン時の患者の臨床所見に関する最初の報告を行う。
方法:PSS-ESGは、PSS患者を評価するためにデザインされた後ろ向き多施設共同研究である。欧州の専門家委員会によってデザインされ、推進されているこの研究には、3つのデータセットが含まれる:(1)ベースライン、(2)追跡調査、(3)眼圧(IOP)/緑内障データセット。
結果:合計11施設がPSS-ESGを遵守し、107人の患者(男性68人、女性39人)が組み入れられた。最高矯正視力は80.3%の眼で0.5以上、眼圧は44%の眼で40mmHg以上であった。角膜沈殿は78.5%の眼で認められた。フレアや前房内の細胞は、それぞれ56%と53%の症例で検出されなかった。房水サンプルのPCR分析では、81例中50.6%でサイトメガロウイルスDNAが陽性であった。
結論:PSS-ESGは、非アジア諸国におけるPSS患者の包括的なデータセットを収集することを目的とした最初の多施設共同研究である。PSS-ESGに参加した11のぶどう膜炎・緑内障センターでは、低悪性度の前房炎症、角膜沈殿、視力維持、著明な眼圧上昇を有する中年白人男性が標準的なPSS患者であると思われた。