KIF12遺伝子に新規の攻撃的変異を有する6ヶ月児の末期肝疾患に対する最年少生体肝移植。
DOI:10.1111/petr.14804
アブストラクト
背景:キネシンファミリーメンバー12(KIF12)変異に関連する胆汁うっ滞性障害は、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)のまれなサブタイプであり、PFIC8型と呼ばれ、現在までに世界で21例しか報告されていない。
方法:ここでは、ホモ接合体KIF12遺伝子変異と診断され、末期肝疾患のため当センターで生体肝移植に成功した生後6ヵ月の男児のユニークな症例を紹介する。
結果:本症例は、肝移植を必要としたKIF12関連胆汁うっ滞性疾患の最年少症例である。この症例は当初新生児胆汁うっ滞を呈し、その後小児肝不全を発症した。われわれの報告は、診断過程と採用した管理戦略について述べたものである。この報告は、臨床的疑い、生化学的パラメータ、遺伝子検査による迅速な診断の重要性を強調するとともに、このような例外的でまれな遺伝性肝内胆汁うっ滞症例では、早期の肝移植を考慮するなど、適切な管理戦略を採用することを強調している。
結論:ガンマ・グルタミル・トランスペプチダーゼが高値の新生児胆汁うっ滞症例では、胆道閉鎖症などとの鑑別のためにKIF12関連の遺伝性疾患を考慮すべきである。肝移植後の良好な転帰は、早期の遺伝子検査と、反応のない患者に対する肝移植センターへの紹介の重要性を強調しており、命を救う可能性がある。
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