胆汁酸プロフィールの胆汁酸性疾患間の差異-乾燥血液スポットを用いたハイスループットアッセイの開発。
DOI:10.1016/j.cca.2024.119864
アブストラクト
背景:胆汁酸(BA)の蓄積を引き起こす胆汁うっ滞は、循環胆汁酸プロファイルを変化させる。乾燥血液スポット(DBS)中の循環BAsの定量は、胆汁の流れの障害や肝臓での胆汁酸代謝の変化を示す可能性がある。高いサンプルスループットにより、胆汁うっ滞性疾患の迅速なスクリーニングが可能となる。
材料と方法:超高速液体クロマトグラフィーとタンデム質量分析(UHPLC-MS/MS)を用いて、一次非共役胆汁酸であるコール酸(CA)とチェノデオキシコール酸(CDCA)の分離と検出を最適化した;二次非共役BAであるウルソデオキシコール酸(UDCA)、ヒオデオキシコール酸(HDCA)およびデオキシコール酸(DCA)、ならびにCA、CDCA、DCAおよびUDCAのグリシンおよびタウリン共役変異体。DBSキャリブレーターと品質管理用血液を調製するためにドナー血液を入手し、メソッド開発とバリデーションを行った。
結果:3.2mmのDBSディスクから1ステップで試料を調製し、ランタイム2分の定量胆汁酸アッセイ法を開発した。バリデーションの結果、全体的に良好な性能が示され、目的に適合していると考えられた。Alagille症候群、Aagenaes症候群、α-1アンチトリプシン欠乏症の子供たちは、年齢をマッチさせた対照群と比較して、新生児スクリーニングサンプルのDBS中のBAが増加し、異なる胆汁酸プロファイルを有していた。
結論:我々のハイスループット測定法により、DBS中の胆汁酸プロファイリングが可能となり、小児の胆汁うっ滞の早期スクリーニングのための貴重な評価ツールとなることを提案する。乾燥血漿中の胆汁酸を測定することは、胆汁うっ滞の早期発見の鍵であり、新生児スクリーニングへの応用が可能である。
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