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骨格形成不全のまれな症例:ACAN遺伝子の二遺伝子変異。

DOI:10.1515/jpem-2024-0255

アブストラクト

目的:脊椎骨端骨形成異常症(SEMD-ACAN)は、脊椎骨、骨端骨、骨端骨形成異常を含むまれな骨軟骨異形成症である。軟骨の細胞外マトリックスの基本成分であるアグリーガンタンパク質をコードする遺伝子の機能喪失型変異により発症する。その結果、不釣り合いな低身長と骨格異常が生じる。ここでは、文献上4例目となるSEMD-ACANの報告を行うことを目的とした。

症例提示:9歳の女児が成長遅延で当院に入院した。彼女は一親等の従姉妹の間に生まれたが、重度の低身長(41cm;-3.54SDS)であった。母親も重度の低身長であった。身長は110cm(-4.6SDS)で、中顔面低形成、低位耳、短頸、短肢、中心性肥満であった。生化学検査とホルモン検査は正常であった。骨格調査では、中等度の扁平脊椎症、胸腰部側弯症、腰椎前弯症、両側大腿骨寛骨臼狭窄、高年齢の骨年齢(10歳)を認めた。患者の兄は100cm(-3.97SDS)であった。臨床所見は類似していたが、より軽度であった。次世代シークエンシングにより、2人の兄弟に二遺伝子変異(c.512C>T; p.Ala171Val)が検出された。両親はヘテロ接合体保因者であった。以前、この変異型のヘテロ接合体が、低身長、高年齢の骨年齢、異形性を有する15歳の男児で報告されている。

結論:SEMD-ACANは、骨の成長と発育に影響を及ぼし、身体的・発達的異常を引き起こす可能性のあるまれな遺伝性疾患である。この論文は、重度の成長遅延や骨格異常といったSEMD-ACANに伴う特徴的な症状において、遺伝子検査を考慮することの重要性を強調している。

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