小児肝移植におけるサイトメガロウイルス予防:小児肝移植学会(SPLIT)コンソーシアムにおける戦略の比較。
DOI:10.1016/j.ajt.2024.09.025
アブストラクト
サイトメガロウイルス(CMV)は小児肝移植(PLT)後の一般的な合併症であるが、CMV予防の最適な方法は不明であり、多施設共同での調査も不足している。2015~2019年に小児肝移植学会レジストリに登録された、ドナーまたはレシピエントのCMV血清陽性の一次PLT(18歳未満)レシピエントを対象とした前向きコホート研究により、PLTにおけるCMV疾患予防のためのCMV一次抗ウイルス予防の短期間(120日未満)と長期間(180日以上)の有効性を比較した。参加者は、各施設の診療内容と予定期間に基づいて、短期予防投与と長期予防投与にグループ分けされた。合計199人のPLTレシピエントが登録され、そのうち112人(56.3%)が短期予防、87人(43.7%)が長期予防であった。末期臓器疾患はまれであり、群間で同程度であった(2.7%と1.1%;P = 0.45)。CMV DNA血症および症候群は、長期予防投与群に比べて短期予防投与群でより一般的であった(26.8% vs 13.8%; P = 0.03; 18.8% vs 6.9%; P = 0.02)。好中球減少は予防期間が長いほど多くみられた(55.2% vs 16.1%;P<0.001)。移植片と患者の生存率は同程度であった。短期間の予防投与を考慮する場合、CMV症候群/DNA血症のリスクの増加と、長期間の予防投与による薬剤の負担および好中球減少症を比較検討する必要がある。
会員登録すると記事全文を読むことができるほか、「NEJM Journal Watch」や「国内論文フルテキスト」といった会員限定コンテンツを閲覧できます。