掲載日:
小児髄液中のヘパラン-N-スルファターゼのタンデム質量分析ベースのアッセイ:ムコ多糖症IIIA型治療のための薬力学的バイオマーカーの可能性。
DOI:10.1016/j.cca.2024.119987
アブストラクト
ムコ多糖症IIIA型は、ヘパラン硫酸の分解に重要な酵素であるヘパラン-N-スルファターゼをコードする遺伝子の変異によって引き起こされるライソゾーム貯蔵障害である。ムコ多糖症IIIA型では、ヘパラン硫酸がリソソームに蓄積し、主に中枢神経系に影響を及ぼす。ムコ多糖症III型の中で最も多く、最も重篤な病型であり、通常10歳未満で発症する。脳の酵素機能を回復させることを目的とした治療法を開発する努力が続けられている。本研究では、健常者および疾患患者の小児脳脊髄液中のヘパラン-N-スルファターゼ活性を評価するための新しいタンデム質量分析法を紹介する。脳脊髄液サンプルを分析した結果、酵素活性に顕著な差が認められ、ムコ多糖症IIIA型では有意に低下していた。この新しい方法は、脳内のスルファターゼ活性回復をターゲットとした将来の治療介入の有効性を評価するための貴重なツールとなりうる。
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