学童期における不活化ポリオワクチン4回目および5回目接種後の免疫持続性。
DOI:10.1016/j.cmi.2024.10.007
アブストラクト
目的:本研究の目的は、不活化ポリオワクチン(IPV)の4回目と5回目の接種後の中和抗体(nAb)価の長期持続性と血清防御率を評価することである。
方法:香港の小児299人の血清検体を採取し、中和試験によりnAb価の持続性と血清防御率を推定した。
結果:生後19ヵ月で4回目のIPV接種を受けた1ヵ月後のポリオウイルス1型、2型、3型(PV1、PV2、PV3)に対する平均nAb価は、それぞれ2068(95%信頼区間、1517-2864)、4705(3439-6436)、2758(1894-4086)であったが、4年後にはそれぞれ268(222-325)、751(630-900)、411(323-521)と大幅に低下した。5回目のIPV投与により6~7歳児のnAb抗体価は回復し、nAb抗体価の低下はやや緩やかで、5回目投与後4年間のPV1、PV2、PV3に対する推定平均抗体価はそれぞれ355(272-462)、538(427-681)、548(378-786)であった。PV1、PV2、PV3に対して血清防御されている小児の割合は、(i)4回目の接種から8.2年後、10.8年後、8.7年後、(ii)5回目の接種から11.6年後、11.2年後、11.0年後に90%を下回ると推定された。
考察:この結果から、IPVの4回目と5回目の接種後の免疫持続性が明らかになり、特にCOVID-19パンデミックの影響を受けている発展途上国の小児において、高い接種率を確保するために予防接種シリーズを完了することの重要性が浮き彫りになった。
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