ムコ多糖症IVA小児に対する造血幹細胞移植:単一施設での経験。
DOI:10.1038/s41409-024-02439-4
アブストラクト
ムコ多糖症IVA(MPS IVA;モルキオ症候群)はライソゾーム貯蔵障害であり、ナセチルガラクトサミン-6-硫酸スルファターゼ(GALNS)の欠損に起因する全身性の骨格形成不全を特徴とする。ある種のMPSでは造血幹細胞移植(HSCT)について説得力のあるデータがあるが、MPS IVAについては研究が限られており、造血幹細胞移植の有効性/安全性を示すにはまだ多くのデータが必要である。本研究では、2021年2月12日から2023年3月10日の間に重症MPS IVAに対して同種造血幹細胞移植を受けた、年齢中央値75.5カ月(35~186カ月)の女児3人と男児7人を対象とした。造血幹細胞移植の有益性を評価するため、酵素値、身長の伸び、最も侵された臓器(耳、眼、心臓)、日常生活動作(ADL)スコアリングシステムをモニターした。追跡期間中央値20ヵ月(9~34ヵ月)において、重篤な移植関連有害事象は観察されなかった。すべての症例において、造血幹細胞移植後に正常な酵素レベルに達した。短い追跡期間中に、我々の症例は身長の伸びと日常生活機能の改善を示した。ここでは、安全性と有効性の両面で有望な結果を得たMPS IVAにおける造血幹細胞移植の経験データを紹介する。造血幹細胞移植による改善の徴候は認められるが、MPS IVAにおける造血幹細胞移植の有益性について適切にコメントするためには、より多くのデータと長期間の追跡調査が必要である。
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