2023年、エチオピアの南ゴンダールでHIVとともに生きる小児および青年におけるウイルス量未検出状態とその予測因子:8年間のレトロスペクティブ・コホート研究。
DOI:10.1136/bmjopen-2023-083206
アブストラクト
目的:本研究の目的は、2023年に南ゴンダールの医療機関でHIVに感染している小児と青年のうち、ゾーン全体の負荷量未検出状態とその予測因子を検討することである。
デザイン:後ろ向きコホート研究。
設定:エチオピア北西部、南ゴンダール保健機関。
参加者:2016年6月1日から2023年4月30日までに医療機関の抗レトロウイルス療法(ART)クリニックで追跡調査を受けたHIVとともに生きる小児および青年430人を対象とした。
アウトカム評価項目:本研究の主要アウトカム評価項目は、ウイルス量検出不能状態の推定であった。さらに、本研究では、Cox-比例ハザードモデルにより、ウイルス量が検出されない状態の時間の中央値とその予測因子を評価した。データはEpi-data V.4.2に入力され、解析のためにSTATA V.17統計ソフトにエクスポートされた。
結果:平均追跡期間は8.5ヵ月(95%信頼区間8.1~8.9ヵ月)±4.4SDヵ月で、全体で9151人月が観察された。追跡期間終了時、369人(85.8%、95%CI 82.6%〜88.8%)の小児および青年がウイルス量未検出状態を達成した。さらに、ウイルス量が検出されない状態になるまでの全生存期間の中央値は6ヵ月であった。分化群4(CD4)数が基準値以上の小児および青年におけるウイルス量が検出されない状態は、CD4数が基準値未満の小児および青年におけるウイルス量が検出されない状態の2.8倍であった(調整HR(AHR)2.8(95%CI 1.5, 5.3))。同様に、ARTアドヒアランスが良好な小児・青年のウイルス量未検出率は、ARTアドヒアランスが良好/不良な小児・青年の2.0倍であった(AHR 2.0(95%CI 1.1, 3.9))。さらに、栄養状態が≧2 Zスコアであった小児および青年は、栄養状態が<2 Zスコアであった小児および青年と比較して、ウイルス量が未検出の状態が2.3倍増加した(AHR 2.3(95%CI 1.3, 4.0))。さらに、治療に失敗しなかった小児および青年は、治療に失敗した小児および青年と比較して、ウイルス量未検出の状態が2.1倍増加した(AHR 3.0(95%CI 1.1, 4.0))。
結論:WHOの戦略的計画(2025年までに95-95-95を達成する)による目標に比べ、ウイルス量が検出されない状態を達成する人の割合が低いことから、的を絞った介入とHIV管理戦略の改善の必要性が浮き彫りになった。ウイルス量が検出されない状態を達成するには、CD4数、ARTアドヒアランス、栄養状態、治療失敗などの要因が重要な役割を果たします。医療提供者は、包括的なケアとサポートを通じて、これらの要因に優先順位をつけるのがよい。この研究は、目標を達成し治療成績を向上させるために、WHOの戦略的計画に沿った取り組みを行うことの重要性を強調している。従って、利害関係者は、この脆弱な集団に対するケアと支援を強化するために、特定された予測因子に対処するのがよい。
会員登録すると記事全文を読むことができるほか、「NEJM Journal Watch」や「国内論文フルテキスト」といった会員限定コンテンツを閲覧できます。