2歳未満の入院小児における呼吸器合胞体ウイルスと他のウイルス性急性下気道感染症の臨床的特徴と入院中の転帰.
DOI:10.1093/infdis/jiae543
アブストラクト
背景:呼吸器合胞体ウイルス(RSV)は、小児における急性下気道感染症(ALRI)関連入院の主な原因です。入院したRSV陽性ALRIが他のウイルス性ALRIと臨床的に異なるかどうかは不明です。本研究では、2歳未満の小児において、入院したRSVと他のウイルス性ALRIの疾患影響を比較することを目的としました。
方法: 2020年から2022年にシドニー小児病院ネットワークでALRIにより入院した2歳未満の小児の電子医療記録を用いて、後ろ向き研究を実施しました。RSV陽性例とRSV陰性例(他のウイルス陽性例)のデモグラフィック特性と臨床的特徴を比較しました。ポアソン準尤度回帰分析を用いて、入院中の3つのアウトカム(入院期間、呼吸支援の必要性、集中治療の必要性)に対する調整済み有病率比を推定しました。結果:RSV陽性ALRIで入院した2歳未満の330例と、RSV陰性ALRI(他のウイルス陽性)の330例を分析しました。RSV陽性例は年齢がより高く(12ヶ月対8ヶ月、P < 0.001)であり、咳(99%対92%)、発熱(80%対58%)、喘鳴(89%対76%)、低酸素血症(50%対36%)、および倦怠感(36%対20%)の頻度が高かったです。また、胸部X線検査を受ける割合(74% vs 49%)と抗生物質投与率(65% vs 35%)も高かったです。調整解析では、RSV陽性児は入院期間が2日を超える可能性が有意に高かったです(調整有病率比、1.95;95% CI、1.14-3.36)。ただし、集中治療や呼吸支援の必要性に差はありませんでした。
結論:RSV陽性のALRI患児は、他のウイルス性ALRI患児に比べて症状が重篤であり、抗生物質の投与率が高く、入院期間が長かった。これにより、RSVに対する効果的な予防と治療戦略の必要性が強調された。
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