巨細胞性肝炎の病因、病理、予後の概要。
DOI:10.6002/ect.pedsymp2024.O30
アブストラクト
目的:巨細胞性肝炎は、幼児期、特に黄疸を呈する患者にとって診断上重要な問題である。その病因にはさまざまな疾患が関与している可能性がある。本研究では、巨細胞性肝炎と診断された当センターの小児患者を紹介した。
材料と方法:2010年1月から2023年12月までに当院で実施された肝生検をレトロスペクティブに評価し、組織学的に巨細胞形成を認めた生検を本研究の対象とした。患者の人口統計学的、臨床的、病理組織学的特徴はカルテから得た。
結果:本研究では31例の巨細胞性肝炎を対象とした。患者の24例(90.3%)は男性で、年齢中央値は4ヵ月(範囲、1-148ヵ月)であった。最も一般的な臨床所見は黄疸(93.5%)であった。31例中、特発性巨細胞性肝炎は13例(41.9%)に認められ、18例で病因が解明された。これらの患者で最も多かった診断は、進行性家族性肝内胆汁うっ滞、胆道閉鎖症、自己免疫性肝炎であった(それぞれ22.6%、19.4%、9.7%)。最も一般的な病理組織所見は、管状胆汁うっ滞(87.1%)、小葉性胆汁うっ滞(54.8%)、細胞周囲線維症(35.5%)であった。10例(32.3%)で肝移植が必要であった。9例(29%)が様々な理由で死亡した。13例(41.9%)の追跡調査は継続中であるが、9例(29%)の追跡調査は終了している。
結論:巨細胞性肝炎に関する小児年齢層の研究は、文献上ほとんどない。われわれのシリーズと同様に、これらの報告ではほとんどの患者で病因が特定できなかった。この疾患の理解を深め、他の可能性のある原因を明らかにし、特異的な治療法を確立するためには、さらなる研究が必要である。
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