小児の単純ヘルペスウイルス感染疑いに対するアシクロビル非経口投与:0~18歳。
DOI:10.1093/jac/dkae411
アブストラクト
背景:単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症が疑われる新生児のアシクロビル処方のばらつきはよく知られているが、年長児のアシクロビル処方に関するデータは限られている。
方法:オーストラリアとニュージーランドの8病院において、HSV疾患の疑いに対してアシクロビル静注処方された新生児(生後28日以下)および小児(生後29日~18歳)の診療記録(2019年1月1日~2019年12月12日)をレビューした。処方適応、HSV検査、アシクロビル処方詳細、有害事象、退院診断を記録した。
結果:1426例が経験的アシクロビルを投与された。新生児(n = 425)では、投与期間中央値は1日(IQR 1-3)、411/425がHSV検査を受け、13/425がHSV疾患(播種性脳炎2例、脳炎4例、皮膚・眼・口疾患7例)であった。1001人の小児のうち906人は免疫不全であった。粘膜皮膚病が疑われた136/906人はアシクロビルを中央値2日(1~2日)投与され、121/136人はHSV検査を受け、69/136人は病気が証明された。播種性疾患または脳炎の疑いに対して770/906例がアシクロビルを中央値1日(1~2日)投与され,556/770例がHSV検査を受け,5/770例が播種性疾患または脳炎であった.95名の免疫不全児のうち,粘膜皮膚疾患が疑われた53/58名がHSV検査を受け,22名で確認された。播種性疾患または脳炎が疑われたのは37/95例で、HSV検査は23/37例で実施され、1例で検出された。アシクロビルの投与期間中央値は免疫不全児で3日(2~7日)であった。腎毒性は7/1426例、血管外傷害は24/1426例であった。
結論:HSV脳炎または播種性疾患の疑いに対してアシクロビルの静脈内投与が小児で頻繁に行われ、しばしば不必要であったことは、HSV検査が不完全であったこと、診断が確定した年長児がわずか5/770人であったことからも明らかである。