迷走神経刺激を伴う結節性硬化症複合体患者の腎疾患サーベイランスのために実施した腹部MRIの安全性プロファイル:迷走神経刺激による結節性硬化症患者に対するMRIの安全性。
DOI:10.1016/j.seizure.2024.11.005
アブストラクト
はじめに:結節性硬化症複合体(TSC)患者は難治性てんかんを呈することが多く、発作を制御するために迷走神経刺激(VNS)治療を受けている可能性がある。TSCに伴う腎血管筋脂肪腫を監視するためにMRIが必要であるが、腹部のMRIはVNS治療中の患者には認可されていない。われわれは、VNS療法が有効であった難治性てんかんを有する多くのTSC患者を対象として、腎臓を安全に撮影できる腹部MRIプロトコルを開発した。ここでは、このプロトコールを用いた結果を報告する。
方法:単一施設で1997年1月1日から2022年1月10日までに受診したすべてのTSC患者を対象に、VNS植え込み状況を後方視的に検討した。VNSを植え込み、腎臓サーベイランスのプロトコールに従って腹部撮影を行った患者を対象とした。
結果:16人の患者で腹部のMRI検査は合計48件であった:34例(71%)が鎮静下、14例(29%)が鎮静なしであった。いずれの患者も副作用(疼痛や不快感)を報告しなかった。画像検査終了直後やその後の神経学的フォローアップの予約時に、VNSの機能障害が再尋問された例はなかった。すべてのMRI検査は、解釈のための質の高いものであった。
結論:典型的なVNS除外区域で実施された腹部MRIは、有害事象やVNS機能障害とは無関係であった。このプロトコールは安全であり、VNSを使用しているTSC患者の腎疾患をモニターするための最良の方法であると考える。