ウパダシチニブによる小児潰瘍性大腸炎の寛解導入:国際多施設共同研究。
DOI:10.1093/ecco-jcc/jjae182
アブストラクト
背景と目的:小児の潰瘍性大腸炎(UC)または未分類の炎症性腸疾患(IBD-U)におけるウパダシチニブ治療のデータは乏しい。我々は、小児の潰瘍性大腸炎またはIBD-Uにおける導入療法としてのウパダシチニブの有効性と安全性を評価することを目的とした。
方法:この多施設レトロスペクティブ研究では、世界30施設から活動性UCまたはIBD-Uの寛解導入療法としてウパダシチニブを投与された小児が登録された。人口統計学的データ、臨床データ、検査データ、有害事象(AE)を導入後8週目に記録した。
結果:100人の小児(UC90人、IBD-U10人、年齢中央値15.6[四分位範囲13.3-17.1]歳)が組み入れられた。98人は生物学的製剤による治療歴があり、76人は2種類以上の生物学的製剤による治療歴があった。8週間の導入期間終了時に、臨床的奏効、臨床的寛解、コルチコステロイドを使用しない臨床的寛解(CFR)がそれぞれ84%、62%、56%の小児で観察された。C反応性蛋白の正常値は75%、便中カルプロテクチン(FC)150mcg/g未満は50%であった。CFRとFCの複合寛解は、8週時点のデータが得られた18/46例(39%)で観察された。有害事象は37例に認められ、そのうち1例は虫垂神経内分泌腫瘍による重篤なものであった。最も頻度の高い有害事象は、高脂血症(n=13)、ざ瘡(n=12)、感染症(n=10、うち5人はヘルペスウイルス)であった。
結論:ウパダシチニブは難治性小児UCおよびIBD-Uに対する有効な導入療法である。有効性は潜在的な有害事象のリスクと比較検討されるべきである。
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