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COVID-19パンデミックにおけるイングランドの児童・青少年へのサービス提供の変更が及ぼす影響に関する、親保護者と障害青少年の視点:質的研究。

DOI:10.1136/bmjopen-2024-085144

アブストラクト

目的:イングランドでは、COVID-19の間に医療、教育、社会福祉サービスの提供が大きく変化した。一部のサービスは閉鎖され、一部のサービスは能力が低下し、遠隔医療への移行がみられた。本研究の目的は、神経障害のある子どもや若者の家族が、このようなサービスの変化をどのように経験したか、何が彼らにとって効果的であったか、あるいは効果的でなかったか、またサービスの変化が彼らにどのような影響を与えたかを理解することである。

調査デザイン:COVID-19の流行期間中に、小児医療、社会的ケア、教育を基盤としたサービスを利用した神経障害のある子ども(0~19歳)の親の介護者を対象とした質的研究。

設定:イングランドの5つの自治体から参加者を募り、電話および/またはビデオ通話でインタビューを行った。

参加者:48人の親保護者(母親45人、父親3人)と9人の若者(8~16歳)にインタビューを行った。親の介護者全体では、3歳から19歳までの55人の神経障害を持つ子ども(男性43人、女性12人)がいた。自閉症、注意欠陥多動性障害、脳性まひ、遺伝性疾患、てんかんなど、さまざまな診断を受けた。9人の若者(8~16歳、男性8人、女性1人)にインタビューが行われ、2人が個人、3人がフォーカス・グループ、4人が親の介護者とともにインタビューに応じた。

結果:4つのテーマが抽出された:(1)サービス変更のコミュニケーション、(2)パンデミック時のサービスへのアクセス、(3)サービス変更の影響、(4)将来の緊急事態とサービス再設定のための学習。サービス変更のコミュニケーションは不十分でわかりにくかったと報告されている。パンデミック時のサービスへのアクセスは様々であった。医療サービスはほとんど混乱することなく継続されたが、治療、教育、社会的ケアのサービスは大きく混乱した。サービスの変更は、高レベルの医療ケアや身体的・行動的支援に対処している家族に有害な影響を与えた。若者は、サービスの変化が身体的、精神的、行動的健康に悪影響を及ぼした。

結論:神経障害のある子どものためのサービスには、本人主導の家族中心のアプローチと、強力な多職種チームワークが必要である。調査結果からは、サービス内およびサービス間、そしてサービスと家族・若者との間のコミュニケーション改善の必要性が示された。将来の緊急事態に備えた計画には、神経障害を持つ子ども特有の医療・ケアのニーズを考慮し、特に学校を通じて利用できるサービスへのアクセスを維持する必要がある。

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