食品医薬品局有害事象報告システムデータベースに基づくヨード系造影剤有害事象シグナルのデータマイニングと解析。
DOI:10.1016/j.clinthera.2024.11.007
アブストラクト
背景:本研究の目的は、米国食品医薬品局(FDA)の有害事象報告システム(FAERS)データベースを用いて、ヨード化造影剤(ICM)に関連する有害事象を調査・分析し、その発生状況や薬剤との相関強度など有害事象(AE)の特徴を探り、臨床に役立つ知見を提供することである。
方法:FAERSデータベースを検索し、2004年第1四半期から2023年第2四半期までのデータを抽出し、5種類のICMを主要な疑いとしたAE報告を収集した。報告オッズ比(ROR)、比例報告比(PRR)、Bayesian confidence propagation neural network(BCPNN)、empirical Bayes geometric mean(EBGM)を用いて関連する報告のデータマイニングと解析を行い、系統的な分類にはStandardized medical dictionary for regulatory activities(MedDRA)クエリ(SMQ)を用いた。
結果:FAERSから検索されたAE報告件数は11,155,106件で、イオベルソールが2,412件、イオヘキソールが2,001件、ヨードキサノールが987件、イオパミドールが1,154件、イオプロミドが3,835件であった。ICM による AE 発生は 21 系統の臓器分類(SOC)を対象とした。4つのアルゴリズムに適合する合計329の有意な不釣り合い優先項(PT)が同時に保持された。その結果、5つのICMの中程度および強度の副作用(ADR)シグナルは、主に "呼吸器、胸部および縦隔障害"、"一般障害および投与部位の状態"、"免疫系障害 "および "皮膚および皮下組織障害 "に集中していることが明らかになった。イオベルゾール(logROR = 1.21、P = 0.034)とイオプロミド(logROR = 1.32、P = 0.004)はともに、特に女性において、重大なADRシグナルである咽頭刺激の発生率が高いことと相関していた。さらに、イオベルソールとイオプロマイドはそれぞれ、中毒性腎症(logROR = -2.47、P < 0.001)と多汗症(logROR = -1.22、P = 0.001)が、特に男性において有意なADRシグナルであることを示唆した。
結論:5つのICMのAE分布は一貫していたが、特定のADRシグナルの特徴にはばらつきがあり、さらなる検討と探求が必要である。
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