GM1ガングリオシドーシス、GM2ガングリオシドーシスまたは2型ゴーシェ病の早期発症小児患者の自然史研究(RETRIEVE)。
DOI:10.1186/s13023-024-03409-1
アブストラクト
背景:GM1、GM2ガングリオシドーシスおよび2型ゴーシェ病(GD2)は、遺伝性のライソゾーム貯蔵障害であり、ほとんどの症例は乳幼児期に発症し、余命が短い。これらの疾患はまれであるため、臨床試験のデザインに役立てるために、疾患の経過や生存率に関する正確で最新の情報が必要とされている。RETRIEVEは、以下を目的とした自然史研究である:(1)早期発症(生後24ヵ月以前に最初の神経学的症状が発現)のGM1、GM2、GD2患者の生存に関するデータを収集すること、(2)将来の臨床試験のための歴史的対照群を構成しうるデータを収集すること、(3)単一の介入臨床試験において、これらの病態を一緒に評価できるかどうかを評価すること。A群には登録時に死亡または生存状態不明であった患者が含まれ、そのためレトロスペクティブデータに限定された。B群には登録時に生存していた患者が含まれ、前向きに追跡され、さらにレトロスペクティブなデータ収集が行われた。
結果:A群には185例(GM1:60例、GM2:78例、GD2:47例)が、B群には40例(GM1:18例、GM2:16例、GD2:6例)が登録された。診断時の平均年齢および中央値と最初の神経学的症状発現時の年齢は、両群ともGD2患者で最も若く、GM2患者で最も高かった。A群では、生存期間の中央値(95%信頼区間)はGM1、GM2、GD2でそれぞれ19.0ヵ月(18.0ヵ月、22.0ヵ月)、44.0ヵ月(37.0ヵ月、51.9ヵ月)、14.0ヵ月(10.0ヵ月、16.0ヵ月)であった。B群では、筋緊張低下はGM1患者のほとんど(17/18、94.4%)が経験し、GM2患者(12/16、75.0%)およびGD2患者(4/6、66.7%)では少なかった。斜視と脾腫はGD2患者6人全員にみられた。
結論:RETRIEVEはGM1、GM2、GD2の自然史研究としては最大規模のものである。結果は発表された文献と概ね一致しており、相違は組み入れ基準の違いによるものと考えられる。本研究で報告された早期発症GM1、GM2、GD2患者間の生存期間中央値の差は、臨床試験において3疾患をプールして研究すべきではないことを示唆している。
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