ハーラー症候群の新生児スクリーニングは、早期移植と良好な転帰を促進する。
DOI:10.1016/j.pediatrneurol.2024.11.004
アブストラクト
背景:造血細胞移植(HCT)は、ハーラー症候群(HS)の小児に対する標準治療である。本研究では、新生児スクリーニング(NBS)がこれらの患者のHCT転帰に及ぼす影響について述べる。
方法:2017年から2023年までにNBSにより診断されデューク大学に紹介されたHS患者のレトロスペクティブ研究。患者は、移植片対宿主病予防のためにシクロスポリンとミコフェノラートを併用し、骨髄破壊的ブスルファンベースのレジメンと非血縁臍帯血HCTを受けた。
結果:患者(N =9)は年齢中央値5.2ヵ月、体重中央値7.8kgで移植された。再注入された総核細胞数の中央値は14.8×10/kgであった。好中球と血小板の生着までの期間の中央値はそれぞれ17日と48日であった。一次移植片の失敗や拒絶反応は観察されなかった。造血幹細胞移植後の合併症は洞閉塞症候群、細小血管障害、自己免疫性溶血性貧血などであった。追跡調査期間中央値29.1ヵ月(範囲4.1-72.2)において、9例中8例が生存しており、α-L-イデュロニダーゼ(IDUA)値は正常で、Lanskyスコアは90-100%で、マイルストーンは発達していた。1例は139日目に自己免疫性溶血性貧血により死亡した(IDUA値は正常で、100日目にはドナーキメラ率は98%以上であった)。
結論:NBSによって診断されたHS患者の乳児期における早期臍帯血移植は、安全で実行可能であり、IDUA酵素欠損を改善する。追跡調査により、この方法の長期的な有益性を確認する。
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