酵素活性と内因性非還元末端グリコサミノグリカン分析によるムコ多糖症I型の高精度新生児スクリーニング。
DOI:10.1016/j.ymgme.2024.108612
アブストラクト
新生児乾燥血液スポット(DBS)における酵素活性の測定は、ムコ多糖症(MPS)疾患の新生児スクリーニング(NBS)の第一段階の方法として推奨されている。しかしながら、偽陽性が観察されるのは主に偽欠損の存在によるものである。我々が以前に発表したムコ多糖症の乾燥血液スポット(DBS)中のグリコサミノグリカン(GAG)バイオマーカー濃度に関する研究では、第二段階のGAGバイオマーカー分析がNBSにおける偽陽性率を劇的に低下させることが実証された。本研究では、イリノイ州、ニューヨーク州、テネシー州のNBSプログラムとGreenwood Genetics Centerから得られた多数のMPS-Iの偽陽性の解析にこのアプローチを拡張した。その結果、Endogenous-Non-Reducing End法(Endogenous-NRE)で測定されたGAGレベルは、全ての検体で正常基準範囲内であった。2番目の研究では、カナダのオンタリオ州のNBSプログラムで384,144人の新生児を検査した結果、MPS-I酵素活性レベルがカットオフ値以下であった166検体を分析した。166検体すべてについて、遺伝子型と内因性NRE GAGレベルの両方を測定した。遺伝子型からMPS-Iのリスクが高い新生児もGAG値の上昇を示し、臨床的にMPS-Iの症状が確認された。遺伝子型判定により偽欠損または保因者であった新生児はすべて、適切なGAGバイオマーカーの値が正常であった。1つ以上の意義不明変異体(VUS)により判定不能とされたサンプルは、すべて正常なGAGバイオマーカー値を示し、追跡調査中も臨床的に正常であることが判明した。これらの研究は、MPS-IのNBSにおいて、Endogenous-NRE GAG第2層NBS法が、第2層DNA分析法よりも偽陽性を最小限に抑えて好ましいことを示している。
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