SARS-CoV-2ヌクレオカプシドタンパク質抗体の3年間抗体保有率、親の認識、および感染要因:千葉県における単一学校コホート研究。
DOI:10.2188/jea.JE20240284
アブストラクト
背景:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は小児において無症状例が多く、感染の検出に課題があります。さらに、感染に寄与する要因は依然として十分に理解されていません。本研究の目的は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のヌクレオカプシド抗体血清陽性率の動向、血清陽性率と親の子供の感染認識との関連性、および小児におけるCOVID-19に関連する要因を調査することです。
方法:2020年12月、6~12歳の児童355名が対象の小学校で研究に参加しました。抗SARS-CoV-2ヌクレオカプシド抗体の抗体陽性率を評価し、3年間毎年アンケートを実施しました。親の感染認識と感染要因を調査しました。
結果:抗体陽性率は、1年目0.6%、2年目2.2%、3年目60.9%でした。親が「感染した」「検査は受けなかったが症状があった」「感染していない」と報告した子どもの3年目抗体陽性率は、それぞれ97.3%、83.3%、35.7%でした。3年目の測定において、血清陽性率の増加は低学年(調整オッズ比[aOR] 2.79、高学年と比較)および他者と遊ぶ頻度が高い子ども(aOR 3.97「やや」、aOR 2.84「よく」、いずれも「まれ」と比較)で観察されました。性別、兄弟姉妹、体格指数(BMI)、血清25-OHビタミンD濃度、睡眠時間との間で、抗体陽性率との有意な関連性は認められませんでした。
結論:2021年末から始まったオミクロン変異株の流行は、多くの子供が感染に気付かないまま、小児における抗体陽性率の急激な増加を引き起こしました。他者との頻繁な遊びは、小児における感染伝播を促進する可能性があります。これらのデータは、COVID-19および今後のパンデミック対策の策定に有用な情報を提供します。
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