掲載日:
巨大な先天性ETV6::NTRK3融合陽性の頭頸部線維肉腫を有する新生児に対するラロトレクチニブによるTRacKについて。
DOI:10.1002/hed.28058
アブストラクト
背景:小児線維肉腫(IFS)は、稀な小児腫瘍であり、若年乳幼児に好発し、局所侵襲性の高い中悪性腫瘍である。頭頸部に発生することはまれである。外科的完全非切除はしばしば不可能であり、集学的治療が必要となる。IFSは神経栄養受容体チロシンキナーゼ(NTRK)融合を有することが多い。NTRK阻害剤による標的治療は、IFSの治療パラダイムを変えつつある。
方法:ここでは、化学療法に速やかな反応を示さず、ラロトレクチニブ経口懸濁液による治療を受けた、切除不能な先天性頭頸部巨大 ETV6::NTRK3 (+) IFS の新生児の症例を報告する。
結果:ラロトレクチニブの忍容性は良好で、臨床的にも放射線学的にも著効を示した。
結論:本症例は、ETV6::NTRK3(+)先天性頭頸部IFSを有する新生児における小児精密腫瘍学の一例を示すものであり、新生児期におけるラロトレクチニブ使用の更なる参考となるものである。
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