牛乳アレルギーに対する焼きミルク経口免疫療法の無作為化試験後の臨床的および免疫学的転帰。
DOI:10.1172/jci.insight.184301
アブストラクト
背景牛乳(CM)アレルギーは幼児に最も多い食物アレルギーである。経口免疫療法(OIT)による治療は有効性を示しているが、副反応の発生率が高い。本研究の目的は、焼ミルクOIT(BMOIT)が減感作を誘導しつつ副反応を減少させることができるかどうかを明らかにすること、およびBMOITの成功の免疫学的相関を同定することであった。方法この第II相ランダム化試験は、3~18歳の牛乳アレルギー小児におけるBMOITの安全性および有効性を評価した。最初の1年間のプラセボ対照治療の後、プラセボ治療参加者は積極的BMOITに移行した。二重盲検プラセボ対照経口食物チャレンジ(OFC)が、1年目以降はBMで、2年目以降はBMと非加熱牛乳(UM)の両方で実施された。IgG抗体およびIgE抗体が、フローサイトメトリーおよびscRNA-Seqを用いてプロファイリングされたCM特異的(CM+)CD4+メモリーT細胞集団とともに測定された。結果30例中21例(70%)が、24ヵ月目に主要エンドポイントである4044mgのBM蛋白に耐容性を示し、30例中11例が2000mg以上のUM蛋白に耐容性を示した。服用による症状はよくみられたが、98%以上が軽度で、重篤な反応はみられなかった。脱感作に伴う免疫学的変化として、CM IgG4、CM+ FOXP3+細胞、Tregの増加、CM IgE、CM+ Th2A細胞、CD154+細胞の減少がみられた。T細胞と抗体の測定値を組み合わせて、UM OFCの結果を予測するモデルを構築した。結論BMOITは忍容性が高く、BMとUMに対する脱感作を誘導した。この脱感作は、抗原特異的抗体およびT細胞コンパートメント内の再分布に対応し、OIT治療によって起こる機序的変化についての洞察を提供した。TRIAL REGISTRATIONClinicalTrials.gov NCT03462030.FUNDING:Myra Reinhardt Family Foundation(助成金番号128388)、NIH/NIAID(U19AI135731、T32AI125179、S10OD025052)。