気管支喘息を合併した小児のアレルギー性鼻炎の予測モデルの構築と検証。
DOI:10.15586/aei.v53i1.1242
アブストラクト
本研究は、気管支喘息児のアレルギー性鼻炎合併に影響する因子を検討し、アレルギー性鼻炎発症を予測するノモグラムモデルを構築することを目的とした。2020年8月から2024年8月までに当院に入院した気管支喘息小児190例をレトロスペクティブに解析した。小児を訓練コホート(133例)と検証コホート(57例)に7:3の割合で無作為に分けた。モデル群の小児は、アレルギー性鼻炎の併発の有無により、アレルギー性鼻炎群(n=44)と非アレルギー性鼻炎群(n=89)に分けられた。気管支喘息児190例中、アレルギー性鼻炎を合併していた症例は62例で、発症率は32.63%であった。訓練コホートでは、非アレルギー性鼻炎群の小児と比較して、家庭内の喫煙者の割合、C反応性蛋白(CRP)、白血球数(WBC)、好中球/リンパ球数(NLR)がアレルギー性鼻炎群で有意に高かった(P < 0.05)。多変量ロジスティック回帰分析の結果、家庭内の喫煙者、IgE、抗生物質の早期使用、CRP、WBC、NLRの上昇はすべて、気管支喘息児のアレルギー性鼻炎合併の危険因子であった(P<0.05)。上記の危険因子に基づいてノモグラム予測モデルを構築した。ノモグラムのC指数は、訓練コホートおよび検証コホートでそれぞれ0.919(95%CI:0.742-0.934)および0.841(95%CI:0.773-0.902)であった。訓練コホートと検証コホートのHosmer-Lemeshow検定の結果は、いずれもP>0.05であり、モデルの適合が良好であることが示唆された。DCAの結果、訓練コホートと検証コホートは、良好な閾値確率と臨床的純益を示した。家庭内の喫煙者、IgE、CRP、WBC、NLR値はすべて、気管支喘息児のアレルギー性鼻炎合併の危険因子であった。これらの危険因子に基づくノモグラムモデルは、気管支喘息児のアレルギー性鼻炎を予測するための貴重な臨床ツールとなりうる。