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嚢胞性線維症の定期的ケアにおける在宅スパイロメトリーの長期的利用:レトロスペクティブ多施設観察研究。

DOI:10.2196/60689

アブストラクト

背景:嚢胞性線維症(CF)患者の治療において、家庭用スパイロメーターが広く導入されている。自宅で頻繁にスパイロメーターを測定することで、増悪の早期発見につながる可能性がある。しかし、これまでの研究から、在宅スパイロメータの長期使用は、CF患者によって十分に維持されていないことが示されている。

目的:多施設で定期的に行われているCFケアにおける在宅スパイロメトリーの長期的な利用状況を把握することを目的とした。

方法:2020年4月より、オランダの5つのCFセンターにおいて、CF患者の治療に遠隔モニタリングプラットフォームと組み合わせた在宅スパイロメーターを導入した。2020年4月から2022年12月までの使用データをレトロスペクティブに解析した。経時的な使用の一貫性を評価するために生存分析を行い、在宅スパイロメトリー頻度に対する肺症状の増加の影響を評価するためにt検定を用いた。新規治療であるエレキサカフトール/テザカフトール/イヴァカフトールの開始が経時的な使用頻度に及ぼす影響を、参加者のサブグループで反復測定ANOVAを用いて評価した。

結果:観察期間中、合計604名のCF患者が遠隔モニタリングプラットフォームに登録され、9930回の在宅スパイロ測定が実施された。在宅スパイロメトリー利用開始後、利用者数は急速に減少した。開始から1年後、232人(54.2%)のCF患者が在宅スパイロメトリーの使用を中止した。観察期間中に20回以上の測定を行った利用者は67人(11.1%)であった。さらに、継続的に在宅スパイロメトリーを使用している人の数は、時間の経過とともに減少した。600日後、31日ごとに一貫して肺機能を測定していた利用者は、わずか1%であった。使用頻度は、肺症状が増加している期間にわずかに増加し(ΔMean=0.45、t=-4,197、P<.001)、エレキサカフトール/テザカフトール/イヴァカフトールによる治療を開始すると、初期に増加し、その後減少した(ΔMean=0.45、t=-4,197、P<.001)。

結論:CF患者における在宅スパイロメトリーの一貫した受診率は低いが、症状が変化する時期には増加する。明確な遠隔治療戦略が、長期的な在宅スパイロメトリー実施率を向上させるようであった。とはいえ、在宅スパイロメトリーやその強度は、それ自体が目標ではなく、地域の状況において、個々の目標を達成するためのツールとして使用されるべきである。

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