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集団健康調査における回答率を高め、非回答バイアスを減少させるための戦略:大規模COVID-19研究における一連のランダム化比較実験の分析。

DOI:10.2196/60022

アブストラクト

背景:集団ベースの研究では、高い回収率が必要である。回収率が低いと有効なサンプルサイズが減少し、バイアスが正確性に影響し、研究結果の一般化可能性が低下するからである。

目的:英国イングランドで実施された集団ベースのCOVID-19サーベイランスプログラムにおいて、回収率を向上させ、非回答バイアスを減少させるためのさまざまな戦略を検証した。

方法:19回にわたって、イングランドの一般人口から無作為に抽出した5歳以上の個人を対象に、Webベースの質問票に回答し、SARS-CoV-2検査のために綿棒を返送するよう郵送で呼びかけた。(1)招待状とリマインダーレター、SMSテキストメッセージのバリエーション、(2)スワブ返送に対する条件付き金銭的インセンティブの提供など、さまざまな介入による回答率への影響を測定するために、いくつかのネスト化されたランダム化比較実験を実施し、回答率の絶対的変化と相対的回答率(95%CI)を報告した。

結果:金銭的インセンティブは、すべての年齢層、出生時の性別、および地域の貧困度において、回答率(招待した人数に占める綿棒の返送完了の割合)を増加させた。金銭的インセンティブなしの場合、18~22歳の参加者の回答率は3.4%で、10ポンド(12.5米ドル)のインセンティブで8.1%、20ポンド(25.0米ドル)で11.9%、30ポンド(37.5米ドル)で18.2%に増加した(相対回答率はそれぞれ2.4[95%CI 2.0~2.9]、3.5[95%CI 3.0~4.2]、5.4[95%CI 4.4~6.7])。非金銭的戦略は、回答率に影響を与えたとしてもわずかであった。最も効果が大きかったのは、スワブの追加リマインダー(SMSテキストメッセージまたは電子メール)の送信であった。例えば、追加のSMSテキストメッセージを受け取った人は、標準的な電子メール-SMSアプローチを受け取った人と比較して、完了したスワブを返送する可能性が高かった(73.3%対70.2%:パーセンテージ差3.1%(95%CI 2.2%-4.0%))。

結論:条件付き金銭的インセンティブは、特に若年層において、綿棒検査の返送が必要なウェブベースの調査への回答率を改善した。選択的な方法で使用されるインセンティブは、集団ベースの調査において、標本の回収率と代表性を改善する効果的な戦略である可能性がある。

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