炎症性腸疾患を有する若年患者における高等教育:人口ベースのコホート研究。
DOI:10.1111/apa.17571
アブストラクト
目的:思春期に診断された炎症性腸疾患(IBD)は、教育達成に悪影響を及ぼす可能性があります。本研究の目的は、IBD患者における高等教育達成率を調査し、疾患の重症度と併存する精神疾患がそれに与える影響を明らかにすることです。
方法:本コホート研究では、デンマークの全国的な登録データを使用しました。IBD患者とマッチングされた対照群を対象に、Cox回帰分析を用いて高等教育の達成までの時間を検討しました。疾患の重症度と精神疾患の分析では、二項回帰分析を用いて高等教育の達成の相対リスクを評価しました。結果:IBD患者1,136例と対照群8,791例を同定しました。全体として、クローン病(CD)または潰瘍性大腸炎(UC)の患者は、対照群と同程度の頻度で高等教育を修了しました(CD:ハザード比(HR)1.10(95%信頼区間(CI)0.99-1.22);UC:HR 0.97(95% CI 0.88-1.06))。重症IBDと精神疾患を併発する患者は、重症IBDのみで精神疾患を併発しない患者に比べて、高等教育を修了する確率が有意に低かったです。結論:IBD患者は参照群と同程度の割合で高等教育を修了しました。重症IBDと精神疾患を併発することは、高等教育の修了に負の影響を及ぼしました。
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