双極性障害のある自閉症児とない自閉症児における睡眠障害:マッチドケースコントロール研究。
DOI:10.1016/j.sleep.2025.01.022
アブストラクト
背景:睡眠障害は自閉症スペクトラム障害(ASD)や双極性障害(BD)によくみられる。しかし、我々の知る限り、BDを併存するASDの青少年と併存しない青少年における睡眠障害の有病率と特徴を調査した研究はない。この症例対照研究の目的は、BDを併存する自閉症青年と併存しない自閉症青年における睡眠障害を調査することである。
方法:ASDとBDの両方を有する43人を症例群とし、年齢と性別を一致させたASDで気分障害のない43人を対照群とした。両群ともSleep Disturbance Scale for Children(SDSC)、Childhood Autism Rating Scale(CARS)、Aberrant Behavior Checklist(ABC)を用いて評価した。
結果:症例群では対照群に比べ、SDSCで睡眠呼吸障害、覚醒障害、過度の傾眠障害、睡眠時多汗症のレベルが有意に高かった(p<0.05)。偏相関分析により、症例群と対照群におけるSDSC総得点とABC総得点との間に有意な関連が認められた(それぞれr = 0.424, p = 0.005; r = 0.629, p < 0.001):睡眠障害はASDの青少年によくみられ、BDを合併している場合にはその割合はさらに増加する。睡眠障害はまた、BDの併存診断にかかわらず、ASDの青少年においてより多くの行動問題と関連している。ASDの青少年を担当する臨床医は、日常的に睡眠習慣と関連する問題を評価すべきであり、気分障害の併存がある場合には特に注意を払うべきである。この研究は、このユニークな集団における睡眠障害の認識と管理の重要性を強調している。
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