ナチュラルキラー細胞欠損症患者148人の臨床的、免疫学的および遺伝学的特徴。
DOI:10.1016/j.jaci.2025.01.030
アブストラクト
背景:ナチュラルキラー(NK)細胞欠損症(NKD)は、NK細胞の異常が臨床的に重要な免疫異常である免疫不全の表現型である。
目的:我々は、NKD患者の臨床的、免疫学的、遺伝学的特徴を明らかにすることで、NKD患者とこの細胞型に対する理解を深め、今後の研究と臨床の指針とすることを目的とした。
方法:2006年から2022年の間に、NKDと診断された168人を登録し、臨床的、免疫学的、遺伝学的データを収集・解析した。既知および新規の遺伝的関連を同定するため、研究用エクソーム配列決定が行われた。
結果:NKDと一致するNK細胞異常が148人の参加者で確認された。多くは小児期(中央値13歳、範囲0~76歳)に発症したが、34%は成人であった。検査対象者全員にNK細胞の細胞傷害性機能の低下がみられ、44%にNK細胞数および/または成熟NK細胞の減少がみられた。ヘルペスウイルスおよび/またはパピローマウイルス感染が71%に認められ、悪性腫瘍が7%に認められ、5%の症例致死率が認められた。研究用エクソームシークエンシングを受けた99人の参加者のうち、29%が寄与している可能性の高いバリアント対立遺伝子が解決されたと考えられ、これらの症例の52%が既知の遺伝子、48%が新規の遺伝子に関与していた。
結論:NKDは、複数の遺伝的病因を持つ特定のウイルス感染症やがんに対する感受性の増加と関連する表現型免疫不全症であり、NK細胞の発生と機能に関する重要な生物学的経路が明らかになった。この研究は、ヒトの免疫防御におけるNK細胞の役割を強調し、NKD患者のリスク集団の同定、正確な遺伝子診断、情報に基づいた臨床管理の進展に役立つ。
会員登録すると記事全文を読むことができるほか、「NEJM Journal Watch」や「国内論文フルテキスト」といった会員限定コンテンツを閲覧できます。