小児炎症性腸疾患の多様なコホートにおける人種的・民族的健康格差の評価。
DOI:10.1016/j.jpeds.2025.114504
アブストラクト
目的:多様な小児炎症性腸疾患(IBD)患者コホートにおいて、疾患の表現型、治療、転帰における人種的・民族的格差を明らかにする。
研究デザイン:2020年3月~2021年6月の間に単一施設で診断された7~18歳のIBD患者で、自己または親が非ヒスパニック(NH)黒人、NH白人、ヒスパニックのいずれかの人種・民族性を持つ患者を対象とした。人口統計学、疾病管理センター/有害物質・疾病登録局社会的脆弱性指数、小児期機会指数、疾患表現型、診断までの期間、治療、医療利用を人種・民族間で比較した。
結果:97人の患者が組み入れられた。コホートの18.6%がNH-黒人、53.6%がNH-白人、27.8%がヒスパニックであった。潰瘍性大腸炎はヒスパニック系患者で有意に多いことがわかった。また、ヒスパニック系患者は非ヒスパニック系白人患者と比較して、診断時に入院する可能性が有意に高く、診断後2年以内に救急外来を受診する可能性も高かった。
結論:人種と民族は小児IBDの診断と治療に影響を及ぼす可能性があり、これらの知見は公平な治療を確立するための基礎となるべきである。これらの所見を検証するためには、より大規模なコホートが必要である。
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