発育期の子供における胆汁酸とマイクロバイオームの相互作用。
DOI:10.1002/jpn3.70014
アブストラクト
腸内細菌叢と胆汁酸の相互作用は複雑であり、小児肝疾患の転帰に関連するメカニズムが解明されていない。成人では、一次胆汁酸は肝臓で合成され、腸に分泌される。腸内微生物の複雑な群集は、胆汁酸を脱共役、酸化、エピメリゼーション、7α-デヒドロキシル化し、非共役、二次、アロ、イソ、オキソ胆汁酸の多様な配列にする。対照的に、乳児の腸内細菌叢にはビフィズス菌優位の単純な群集が存在し、腸内に新たな微生物がコロニーを形成するにつれて、より多様で成体に近い群集へと移行する。この微生物の継代によって、脱共役、酸化、エピメリゼーション、7α-デヒドロキシル化活性が徐々に付与され、胆汁酸プールは、生後早期の一次胆汁酸が支配的なプロフィールから、小児期後半には、より多様で成人のような胆汁酸プロフィールへと成熟する。小児胆汁うっ滞性疾患における胆汁酸プロファイルの変化は、マイクロバイオームの発達の軌跡を変える可能性がある。逆に、腸内細菌叢の変化は、胆汁酸プールと肝胆汁酸代謝を再形成する可能性がある。これらの相互作用の根底にあるメカニズムを理解することは、肝病態生理学の理解を深め、小児肝障害に対する新たな治療戦略の動機付けとなるであろう。本総説の目的は、小児と成人の腸内細菌叢と胆汁酸プールの違いを明らかにし、胆道閉鎖症を含む胆汁性肝疾患の乳幼児や小児の転帰に影響を及ぼす可能性のある、生後早期に重要な腸内細菌と胆汁酸の相互作用について論じることである。
会員登録すると記事全文を読むことができるほか、「NEJM Journal Watch」や「国内論文フルテキスト」といった会員限定コンテンツを閲覧できます。