IPV小分け投与用トロピス無針注射器:キューバにおける定期予防接種サービスへの統合のためのパイロットスタディ。
DOI:10.1016/j.vaccine.2025.126903
アブストラクト
キューバの定期予防接種(RI)スケジュールでは、標準的なIPV用量の1/5量の分包用量不活化ポリオウイルスワクチン(fIPV)が使用されている。針を使用しないジェット注射器であるトロピスは、皮内fIPV投与を簡素化し、2019年から2020年にかけてキューバのカマグエイで試験的に実施された。本研究では、従来の針と注射器(N/S)による投与と比較して、トロピスの受容性、安全性、免疫原性を評価した。満足度を評価するため、保護者(n=5260)および看護師(n=66)にアンケートを実施した。ワクチン接種を受けた子どもの血液サンプルを用いて、中和ポリオウイルス抗体レベルを分析した(トロピスを試験的に使用したカマグエイではn=231、N/Sを使用したシエゴ・デ・アビラでは138)。その結果、98%の保護者と98.5%の看護師がN/Sよりもトロピスを好んだ。有害事象はトロピスの方がN/Sより少なかった(6%[14/238]対13%[20/157]、p = 0.028)。4ヶ月と8ヶ月の2回投与後、3つの血清型すべてにおいて、トロピス投与とN/S投与の間に有意差はなかった(1型:76.2%対79%、p=0.53;2型:80.5%対84.1%、p=0.39;3型:51.6%対64.5%、p=0.08)。トロピスの受容性は、標準的なN/S投与よりも優れているようであり(親と看護師の両方において)、達成された血清有病率に有意差はなかったが、キューバ政府は、主に注射器に関連するコスト増加のため、トロピスをRIプログラムに導入しなかった。
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