フランスの血友病A患者における系統的関節検査(超音波検査、機能検査、理学検査)が治療管理決定に及ぼす影響:前向き観察研究A-MOVE試験の最終データ。
DOI:10.1111/hae.70012
アブストラクト
背景:血友病管理は出血を予防し、関節機能を維持することを目的としている。患者の関節の健康状態の変化は、治療法を調整する医師の判断に影響を与える可能性がある。Haemophilia Joint Health Score(HJHS)とHaemophilia Early Arthropathy Detection with Ultrasound(HEAD-US)スコアは関節の健康状態を評価するものであるが、日常的には使用されていない。
目的:A-MOVE試験の最終データを用いて、HJHSおよび/またはHEAD-USによる系統的関節検査がフランスにおける治療管理決定に影響を及ぼすかどうかを評価する。
方法:A-MOVE試験(NCT04133883)は12ヵ月間の前向き多施設共同試験であり、標準/延長半減期FVIII製剤による予防的治療またはオンデマンド治療を受けた血友病A患者(全重症度、6~40歳)を登録した。ベースライン時、6ヵ月後、12ヵ月後に、HJHS/HEAD-USおよび患者管理の変化を評価した。
結果:20施設から86例の患者が最終解析に組み入れられ、68例で12ヵ月後のHJHS/HEAD-US評価が行われた。12ヵ月間で、24.4%(n=21/86)の患者がHJHS/HEAD-USスコアにより血友病管理に影響を受けた。これらの決定は、約半数の患者(52.4%、n=11/21)でHJHSにより影響を受け、ほぼ全ての患者(95.2%、n=20/21)でHEAD-USにより影響を受けた。両評価とも、約半数の患者(47.6%、n=10/21)で管理決定の変更に寄与した。29例(33.7%)の血友病患者の管理決定は、身体診察所見(n = 9)および出血エピソードの発生(n = 8)など、HJHS/HEAD-US以外の因子によって影響を受けた。
結論:A-MOVE試験の最終データは、機能的/身体的検査(HJHS)および超音波検査(HEAD-US)による系統的な関節評価が、血友病A患者の治療管理決定に影響を与える可能性があることを示している。
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