ペルーの先住民女性における母親の教育が子どもの予防接種状況に及ぼす効果の減少。
DOI:10.1016/j.socscimed.2025.117862
アブストラクト
目的:ペルーにおける子どもの予防接種状況における民族間格差について、母親の教育の媒介的役割と調整的役割を評価する。
方法:2023年人口保健調査の二次分析に基づく横断研究である。子どものワクチン接種状況は、生後12ヵ月までにBCG、DPTおよびポリオワクチンの3回接種、MMRワクチンの接種を完了していると定義した。ワクチン接種状況に対する母親の教育の影響を評価するために、民族別の線形回帰モデルおよびポアソン回帰モデルを当てはめた。自然効果の介入類型を用いた4元分解をg式を用いて行い、母親の自己申告民族(先住民対メスチソ)によるワクチン接種状況の格差に対する教育の媒介的役割と調整的役割を評価した。
結果:合計5,622人の先住民と6,939人のメスティーソの子どもが対象となった。不完全接種の割合は、インディヘナで27.6%、メスティーソで21.6%であった。インディヘナの子どもでは、母親の中等教育修了および高等教育修了は、中等教育修了未満の母親と比較して、ワクチン接種が不完全であることを5%ポイントおよび4%ポイント減少させた[それぞれ-0.05(95%CI:-0.08,-0.02)および-0.04(95%CI:-0.07,-0.01)]が、メスティーソの子どもでは8%ポイントおよび11%ポイント減少させた[-0.08(95%CI:-0.11,-0.06)および-0.11(95%CI:-0.13,-0.08)]。ポアソンモデルは線形モデルと一致した。媒介分析では大きな負の交互作用が示され、これは先住民女性にとってより高い教育を受けることの恩恵が減少していることを表していた。
結論:母親の教育水準が子どものワクチン接種状況に及ぼす有益な効果は、先住民の方がメスチゾよりも小さい。すべてのグループの教育レベルを上げることは、不注意にも既存の民族間格差を増幅させることになる。
会員登録すると記事全文を読むことができるほか、「NEJM Journal Watch」や「国内論文フルテキスト」といった会員限定コンテンツを閲覧できます。