小児の好酸球性食道炎において、皮膚のセラミド合成が異常を来しています。
DOI:10.1016/j.jaci.2025.02.024
アブストラクト
背景:好酸球性食道炎(EoE)は、アトピー性皮膚炎(AD)と同様に、上皮バリア機能障害を特徴とする疾患です。発症の危険因子はいまだに研究中で、皮膚と食道の間には共通点が少ないことが知られています。EoEのリスクを評価する代替マーカーは存在しません。
目的:EoEを有する小児の皮膚におけるセラミド(CER)レベルを評価し、皮膚と食道機能障害の同時発症を評価することを目的としました。
方法: ADのないEoE患者(n = 21)とADのないEoE非患者(n = 17)から、前腕掌側の皮膚テープストリップ(STS)を最大21枚収集し、液体クロマトグラフィー・タンデム質量分析法により皮膚脂質組成を評価しました。
結果:EoE患者では、38%が女性、57%がIgE介在性食物アレルギーを有し、STS採取時において組織学的な寛解状態にあったのは57%でした。内視鏡検査からSTS採取までの期間は75.7日(範囲:0~467日)でした。対照群と比較して、EoEを有する被験者の皮膚では、22炭素長鎖スフィンゴシンまたは22炭素長鎖フィトスフィンゴシンを含むCERsおよび非ヒドロキシ脂肪酸(P < 0.05)において有意な減少が認められ、また、18-, 20-,および22炭素長鎖スフィンゴシンを含む)CERsにおいて有意に減少していました(P < 0.01)。超長鎖脂肪酸を含むCERsは、EoE患者の皮膚において特に減少していました。
結論:EoEを有する小児の皮膚における長鎖CERは、ADを有しない非EoE群と比較して明らかな違いを示しました。これらのデータは、皮膚バリアがEoEのバイオマーカーとなる可能性を示唆し、概念的に皮膚と食道が「統一された上皮バリア」を構成する可能性を提示しています。
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