非標的リピドーム解析によるムコ多糖症II型(ハンター症候群)のバイオマーカーとしてのガングリオシドとセラミドの同定。
DOI:10.1007/s11306-025-02233-3
アブストラクト
はじめに:ムコ多糖症II型(ハンター症候群)は、イデュロン酸-2-スルファターゼ欠損によるX連鎖性劣性疾患であり、主に男性患者が罹患する。この酵素活性の欠損は、グリコサミノグリカンであるヘパラン硫酸とデルマタン硫酸の全身の組織への蓄積を引き起こし、ガングリオシドとセラミドの二次的な蓄積を引き起こす。
目的・方法:神経因性MPSⅡ型における脂質経路の調節異常を調べるため、リピドミクス研究を行った。非標的脂質分析のために、改良液体抽出を行った。逆相高速液体クロマトグラフィーと四重極飛行時間型(UPLC-QTOF)質量分析計を用いて、健常対照群と比較したMPS II患者群の血漿および尿中のガングリオシドおよびセラミドバイオマーカーの同定を行った。
結果:グリセロリン脂質代謝や脂肪酸酸化に関連する経路を含む経路の変化は、MPS IIの病態進行における脂質代謝の重要な役割を浮き彫りにした。
結論:ガングリオシドやセラミドの蓄積は、MPS IIを含む様々なライソゾーム貯蔵病における神経病理と関連している可能性がある。
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