呼吸器乳頭腫症患者における手術頻度と年齢の非線形関係。
DOI:10.1007/s00405-025-09269-0
アブストラクト
背景:呼吸器乳頭腫症(RP)は、主に呼吸器に発生する良性腫瘍であり、ヒトパピローマウイルス(HPV)に起因することが多い。患者は通常、複数回の手術を必要とする。最近の研究では、年齢が手術の頻度に大きく影響することが示唆されているが、この相関に関する具体的な研究はまだ限られている。
方法:本研究では、特定の病院で2000年から2022年の間に手術を受けたRP患者676人のデータをレトロスペクティブに解析した。患者は18歳以上と18歳以下の2群に分けられた。本研究では、年齢、体重、入院期間、HPV感染などの因子が手術回数に及ぼす影響を検討した。年齢と手術回数の非線形関係を調べるために、スムーズカーブフィッティングと閾値効果分析を採用した。年齢と手術回数の関連を調べるために、一般化加法モデルとともに単変量回帰分析および多変量回帰分析を用いた。
結果:本研究では、呼吸器乳頭腫症患者676例のデータを解析し、年齢と手術回数の間に有意な非線形関係があることを明らかにした。その結果、若年患者、特に18歳未満の患者はより多くの手術が必要であり、年間平均5.5回の手術を受けたのに対し、成人患者は平均1.7回の手術しか受けていないことが明らかになった。一般化加法モデリングにより、8.2歳が重要な変曲点であることが判明した。この年齢以下では、1歳増すごとに手術回数は0.7回減少する(95%信頼区間[-0.8、-0.6]、P<0.001)が、この年齢以上では手術回数は安定する。多変量回帰分析では、手術頻度に対する年齢の有意な影響がさらに確認され、他の変数で調整してもこの関連は維持された(β=-2.16、95%CI[-2.97、-1.36]、P<0.001)。
結論:年齢はRRP患者の手術頻度に影響を及ぼす重要な因子であり、この影響は特に若年患者で顕著である。特に、臨界年齢である8.2歳を下回ると、手術件数は有意に増加する。この知見は、より正確な治療戦略や予後評価の開発に役立ち、臨床診療に重要な示唆を与えるものである。
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