環境暴露がT濾胞ヘルパー細胞の機能に及ぼす影響と免疫への影響:バングラデシュ人とアメリカ人の子供の比較。
DOI:10.1128/mbio.03980-24
アブストラクト
非標識:T濾胞ヘルパー(Tfh)細胞は、B細胞の活性化とその後の抗体産生に極めて重要である。この機能は、B細胞の活性化を促進するコスティミュレイトリー因子であるCD40Lや、老化のマーカーとして知られるCD57などの表面マーカーに影響される。この研究では、バングラデシュ人とアメリカ人の子供におけるTfh細胞の機能の年齢による違いを調べた。バングラデシュの小児は、2歳時に、刺激によるCD40Lのアップレギュレーションが障害され、CD57のダウンレギュレーションが顕著であった。これらのパターンは、同じ年齢のアメリカ人の子供では観察されず、環境要因によって引き起こされる可能性のある疲弊に似た表現型が示唆された。ランダムフォレストと一般化推定方程式(GEE)モデリングを用いて、刺激に対するTfh細胞の反応の予測因子を解析した。最後の抗生物質投与からの日数、抗生物質総投与回数、下痢エピソード、栄養不良が、刺激に対するTfh細胞の反応に有意な影響を与える変数として同定された。抗体応答を促進するTfh細胞の能力を評価するため、ワクチン接種後および風土病であるアピコンプレキサンの寄生虫への感染に対する抗体濃度とTfh細胞の機能性を相関させた。刺激によるCD40L発現の増加は、抗ポリオウイルス2/3型中和抗体および抗Cp17(胞子虫抗原)IgA濃度と正の相関を示した。一方、CD57発現の増加は抗Cp17 IgA濃度の低下と有意な相関を示した。このことは、活性化を支持する表現型(CD40L+)の方が、老化を支持する表現型(CD57+)よりも、免疫の促進に効果的であることを示している。これらの知見を総合すると、幼少期の環境曝露がTfh細胞の機能をプログラムし、病原体曝露の多い環境における免疫応答の可能性に影響を与える可能性が示唆される。
重要性:T濾胞ヘルパー(Tfh)細胞は、特定の抗原に対する体液性免疫応答を形成する上流のメディエーターである。感染に対する効果的な記憶応答の生成は、その後の再感染を防ぐために不可欠である。しかし、今回調査したバングラデシュの都市部のように、感染症への曝露が多い地域では、子どもたちは常に炎症性病原体にさらされている。特定の環境暴露は、Tfh細胞の活性化と老化の表現型に有意な影響を与えた。さらに、Tfh細胞応答はワクチン接種後や感染後の抗体濃度と相関しており、環境因子が幼児期における有効な免疫の形成に重要な役割を果たしている可能性が示された。
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