ギニアビサウ農村部におけるCOVID-19パンデミック前およびパンデミック初期の小児ワクチン接種率、コホート研究。
DOI:10.1016/j.vaccine.2025.127011
アブストラクト
背景:COVID-19パンデミックへの対応により、保健システムのリソースがCOVID-19の活動に振り向けられた。モデル研究や行政データに基づく推計によると、パンデミック中、特に世界の最貧国において、ワクチン未接種や接種不足の子どもの数が増加した。われわれは、パンデミック前とパンデミック中にギニアビサウの農村部で生まれた子どもたちのワクチン接種率と適時性を調査した。
方法:Bandim Health Projectの全国を代表する農村部の保健・人口統計サーベイランスシステムを活用し、2017年と2020年に生まれた子どもの12ヵ月間のワクチン接種率およびワクチン接種の適時性を、すべての定期接種ワクチンについて評価した。さらに、完全に予防接種を受けた子どもの割合と、BCG(Bacillus Calmette-Guérin)ワクチンとMV(麻疹ワクチン)の未接種の割合を評価した。BCG、5価ワクチン3回接種(Penta3)、MVについて、背景因子と接種率・未接種との関連を、村クラスターと保健地域のランダム効果を用いた混合効果ロジスティック回帰モデルを用いて分析した。
結果:合計6809人の子どもが対象となった(2017年:3495人、2020年:3314人)。カバレッジ推定値は、2017年コホートでは19%~99%、2020年コホートでは40%~98%であった。在庫切れの影響を受けたBCGと経口ポリオワクチンだけが、2017年のコホートと比較して2020年のコホートでは12ヵ月間のカバー率が著しく低かった。在庫切れの影響を受けたワクチンを除くと、2つのコホート間で完全接種児の割合に差はなかった(66%と67%)。遅延は一般的であったが、BCGを除くすべてのワクチンについて、2017年から2020年にかけて適時性は改善した。BCGの接種が順不同であったのは2020年のコホート(48%)で、2017年のコホート(27%)よりも顕著に多かったが、MVの接種が順不同であったのはコホート間で同程度であった。
結論:パンデミックによってワクチン接種パターンが大きく変わったという兆候はない。ワクチン接種率の変化は、ワクチン接種サービスや医療システムへのアクセス/需要の変化というよりもむしろ在庫切れによってもたらされた可能性が高く、ワクチン接種の適時性には反映されなかった。
会員登録すると記事全文を読むことができるほか、「NEJM Journal Watch」や「国内論文フルテキスト」といった会員限定コンテンツを閲覧できます。