母親のHBe抗原保有状況とALT値上昇が有害転帰に及ぼす影響:198,049件の妊娠における集団ベースのコホート研究。
DOI:10.1186/s12884-025-07410-9
アブストラクト
背景:B型肝炎ウイルス(HBV)感染は一般的な公衆衛生問題であり、母親のHBV感染は母親と胎児の両方に有害な転帰を引き起こす可能性がある。しかし、B型肝炎e抗原(HBe抗原)血清ステータスが産科転帰に及ぼす影響については十分に確立されていない。本研究の目的は、中国における妊産婦のHBV感染の有病傾向、および産科転帰への影響を調査することである。
方法:このレトロスペクティブコホート研究では、中国アモイで確立された住民ベースの妊娠登録(REPRESENT)のデータを用いた。母親のB型肝炎表面抗原(HBsAg)とHBe抗原の血清ステータスは、初回妊婦健診時に定期的に検査された。母体のHBV感染が母体および新生児の転帰に及ぼす影響を評価するために多変量回帰を行った。
結果:2015年1月から2019年3月までの198,049件の妊娠を対象とした。HBsAg+HBeAg+の全有病率は2.26%であり、この間に減少していた(相対リスク0.59、95%CI 0.54-0.65)。HBsAg-HBeAg-妊娠と比較して、母親のHBsAg+HBeAg-は、妊娠肝内胆汁うっ滞(ICP)(調整オッズ比3.43、95%CI 2.94-4.00)および帝王切開(1.04、1.01-1.08)の高いリスクと関連していた。HBsAg+HBe抗原+はさらに、ICP(3.44、2.64-4.48)、胎児苦痛(1.33、1.05-1.67)、早産(1.37、1.04-1.81)の高リスクと関連していた。さらに、サブグループ解析により、初回出産時のアラニンアミノトランスフェラーゼの状態異常が、母体HBV感染が母体および新生児の転帰に及ぼす影響を悪化させる可能性が示された。
結論:母親のHBsAg+HBeAg+血清状態の有病率は依然として高いが、時間の経過とともに減少している。その重大な悪影響を考慮すると、HBsAgとHBeAgの出生前スクリーニングを実施すべきである。
臨床試験番号:該当なし。
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