フランスの中学校における学校ベースの予防接種の実施:効率的か否か?
DOI:10.1016/j.vaccine.2025.127007
アブストラクト
イントロダクション:フランス当局が様々な予防接種キャンペーンを実施しているにもかかわらず、フランスにおけるワクチン接種率(VC)は依然として低く、特にヒトパピローマウイルス(HPV)の接種率は低い。フランス衛生局は、ノルマンディー地方の予防接種センターに対し、公立中学校における学校ベースの予防接種プログラムを開発するよう指令した。本研究の目的は、4学年後(2019~2023年)のこのプログラムの効率を分析することであった。
資料と方法:子ども(11~13歳)の推奨予防接種(ジフテリア・破傷風・小児麻痺・百日咳、B型肝炎ウイルス(HBV)、麻疹・流行性耳下腺炎・風疹、髄膜炎菌C、HPVワクチン)の更新には、保護者の承認が必要であった。少なくとも1つのワクチンが承認されている青年は、医師の診察を受け、必要であればワクチン接種を受けた。グローバルVCとは、フランスで義務付けられているワクチンと推奨されているワクチンをすべて接種していることと定義した。本研究の目的は、調査期間中、学校での予防接種プログラム実施前後のグローバルVCの割合を比較することであった。
結果:調査期間中、199校を訪問した。18,476人の生徒のうち、33.6%(n = 6217)の生徒の保護者が少なくとも1つのワクチンを受け入れ、4464人の生徒がワクチン接種を受けた(81.9%、4464/5450)。介入前のVCは全体で10.7%(n=585)であったが、ワクチン介入後は65.7%(n=3585)に増加した(p<0.0001)。VCは、髄膜炎菌Cワクチンでは介入前の64.8%から介入後の87.5%に増加し(p<0.0001)、HBVワクチンでは67.6%から85.6%に増加し(p<0.0001)、HPVワクチンでは14.6%(n=675/4614)から79.9%(n=3685/4614)に増加した(p<0.0001)。多変量解析では、COVID-19後の期間(2021~2022年)は、少なくとも1つのワクチンを接種していないことと有意に関連していた(OR:1.4[1.2~1.9])。
結論:本研究では、学校でのワクチン接種プログラムは推奨されるすべてのワクチンについてVCを効果的に改善するものであり、HPVのような特定のワクチンに限定されるべきではないと判断した。
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