妊娠糖尿病と子供の健康との関連:2標本メンデルランダム化研究。
DOI:10.1186/s12884-025-07423-4
アブストラクト
背景:妊娠糖尿病(GDM)は、母体および胎児の罹患率に大きく影響し、将来の子孫の健康リスクと関連することが観察されている。しかしながら、観察結果は交絡やバイアスの影響を受けやすいことを認識する必要がある。
方法:GDMと子孫の健康との関連を調べるため、メンデルランダム化(MR)を用いたゲノムワイド遺伝学的関連研究を2023年5月31日から11月30日の間に実施する。一次解析では逆分散重み付け(IVW)を用いる。患者の大半はヨーロッパ系で、IEU open genome-wide association study projectからデータを入手した。
結果:遺伝的に予測されるGDMは、子孫における様々な短期的・長期的健康問題のリスク増加と関連している。胎児および新生児の疾患では、GDMは早産のリスク上昇[奇数比(OR)=1.150、偽発見率(FDR)調整後P=0.009]および胎盤障害(OR=2.143、FDR調整後P=0.028)と関連している。呼吸器疾患では、インフルエンザ(OR = 1.175、FDR調整 P = 0.008)、細菌性肺炎(OR = 1.141、FDR調整 P = 0.008)、呼吸器系の先天性奇形(OR = 1.673、FDR調整P = 0.033)、肺炎を伴うインフルエンザ(OR = 1.078、FDR調整P = 0.008)、非侵襲的換気の必要性(OR = 1.265、FDR調整P = 0.028)であった。神経発達および精神医学的転帰に関しては、GDMは脳性麻痺の高いリスクと関連している(OR = 1.721、FDR調整P = 0.008)。泌尿器系疾患では、GDMは急性尿細管間質性腎炎のリスクを増加させる(OR = 1.098、FDR調整P = 0.008)。遺伝的に予測されるGDMと、胃食道逆流症などの主要な消化器疾患や、子孫における心血管系疾患との関連は確認されなかった。
結論:本研究の結果は、GDMと子孫の疾患リスク上昇との関連を支持する遺伝学的証拠を提供するものである。このことは、GDMを短期および長期の子孫の健康に対する危険因子として分類することを支持するものである。